夜20時前に、病院から電話がありました。
『急変です。至急、病院へお越しください。』
アタシの母は、急変するような病状ではありませんでした。
だから、何を言っているのか意味が分からない。
ともかく部屋の電気もつけたまま、病院へ向かった。
何が起きていて、どんな急変なのか?
考えても想像もつかず、病院へ到着。
夜間緊急入り口より病院へ入った。
出迎えた看護婦さんの血相変えた顔が、今でも鮮明に思い出せる。
病室へ入った。
ぐったりした母を、担当医と当直医、看護士が囲んでいる。
母は眠っているようだ。
「先生、何が急変なのですか?」
当直医より状況説明を受ける。
そう、母は眠っているのではない。
他界していた。
ちょっと我に返り、振り返ると
よくドラマで見る、ピーーーという音とと共に真っ直ぐの画像が見えた。これは、母のものだった。
担当医より、急性心筋梗塞と告げられた。
アタシの両手・両足は鋼鐵のように硬くなり動かなくなった。
PR